この夏のキャンプ場での出来事である。
お客さんの後片付けにキャンプサイトへ行くとサイト横の松の木の根元に何か倒れている。
近づくと生後1ヶ月程の子猫である。この猛暑の中、お母さんからはぐれて歩き回っているうちに熱中症で倒れたのであろう。まだ呼吸はある。しかしかなり衰弱が進んでいる。
急いで施設へ戻り冷たい水を用意しダンボールで応急の寝床を作り子猫を保護した。
私はまだ仕事が残っていたので子猫の様子を気にかけながらようやく20時頃仕事を終えることが出来た。子猫の様態は変わらずで水も飲もうとしない。ネットでまだやっている獣医を探し応急処置をしてもらったが、翌日の未明に息を引き取った。完全に手遅れであった。
子猫を保護した時、キャンプ場には大勢のお客様がいた。子猫の横のサイトにいたファミリーは私が見つける以前から知っていたようで、何時間もそのまま放置し平気な顔をして酒を飲み肉を食っていたのだ。
アウトドアから学ぶのは火おこしやロープワーク、ナイフワークではない。人間として生を授かったのであれば愛でる気持ちや思いやりがあって当たり前の話だ。しかもアウトドアをやる人間であればその対象は自然や動物に目を向けても良いのではないか。
ここは無人のキャンプ場ではない。私の施設は1人でやらせてもらっているが管理棟には複数のスタッフが常駐している。なぜ一声掛けてくれなかったのか?
大変残念な気持ちで心が痛むばかりである。
黙祷
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