ライフル銃及び散弾銃以外の猟銃での技能講習

3年毎にある銃所持許可の更新時には3年以内に発行された経験者講習と技能講習の終了証明書が必要である。今回は前回もお話した通り散弾銃以外での技能講習の大まかな流れと内容を共有したいと思う。 


以前は散弾銃以外の猟銃(ハーフライフル)での技能講習の講習内容及び実技での審査基準はライフル銃のものと全く同じレベルで判断されていた。そのためスラッグ銃の平筒にライフルリングを半分の位置までしか刻んでいないハーフライフルでは精度的に厳しいものがあった。しかし近年の法改正によりライフル銃及び散弾銃以外の猟銃での技能講習は、より銃所持者への安全性を重視し銃の取り扱いに重点を置いた審査基準へ移行した。


それによって現在はハーフライフルでの技能講習は法改正前に比べればかなり受講しやすくなったとも言える。実際に内容はどのようになっているのかここに記載する。なおこの内容は東京都のもので実際は受講する射撃場や射撃指導員によって異なると思うが全国で大きく変わることはないと思う。


⑴ 操作講習

①「技能講習を始めます。これから以後の動作は全て記録の対象になります」という宣言のもと講習が始まります。

② 分解 銃の使用後を想定し、分解してケースに収納するまでの要領を指導員が説明を加えながら実演した後、1回実施します。

③ 結合 点検 ケースから取り出し、遊底を結合して使用可能な状態に組み立てます。銃身、遊底、安全装置、引き金、銃床、照準装置、を組み立てながら点検を実施します。この時「○○異常なし!」と声を出し行い、確実な点検を行います。

例 「銃身異常なし」「銃床異常なし」「スコープ異常なし」「ボルト異常なし」「安全装置作動状況異常なし」「引き金異常なし」など

④ 保持と携行 射場に移動し射座の後方等の適宜な場所で銃を携行し、一定距離を往復します(狩猟免許の試験時に行った猟銃携行時の集団行動と同じやり方です)。

⑤ 照準及び空撃ち 指導員は、射座において立射、膝射、伏射それぞれの射撃姿勢から、照準の要領、空撃ちの実施指導を行った後、受講者が希望する射撃姿勢ひとつを選択し次の動作を行います(ここで模擬弾が必要になります)。

○ 射座での模擬弾の充填、脱砲を2回行う。

○ 射撃姿勢をとり、固定標的に照準を合わせ、空撃ちを5回行う。

○ 射撃中の不発弾を想定し処理を1回行う。(銃を的に向けたまま10秒待機)

⑵ 射撃講習

① 1回の射撃につき、実包は1個のみ装填します。

② 10回以内の試射が認められているので、選択した射撃姿勢により、試射を伴う照準調整を行います。試射が終了したら的紙を交換。試射希望者がいなければそのまま射撃講習に移ります。

③ 射撃講習を開始します。射撃回数は20回(射撃場によって異なるようです。私が受けた茨城県狩猟者研修センターでは10発撃って7発以上的の中に入っていればその時点で合格。7発未満であれば補講で更に10発撃つようです)。射撃時間は概ね30分を目安に射撃を行います。

④ 終了宣言 「技能講習会を終了します」という宣言後、記録は終了します。


以上が技能講習の大まかな流れであるが、用意するものの中には最初公安に申請する時に渡される控えにもまったく書いてないものがあったり、弾数も案内される数とは全然違うケースが多いようである。持ち物に関しては、講習申請が終わって日時と射場が決まったら一度現地の射撃指導員に確認することをお勧めする。


あと、今回の審査基準だが主に銃の取り扱いが見られるようで、不要に用心がねに触れたり、銃口を人のいる方向に向けたりなどの行為を行わなければ大丈夫なようだが、やはり重要なのは普段から銃の取り扱い方が安全に行えるよう身についていることだと思う。射撃結果は的中(円の中)に10発中7発以上で合格。射撃点数は合否には関係しないが参考で警察にも報告するらしい。7発未満の人も補講をやってくれるので、まず銃の取り扱いだけは講習前にしっかり押さえておきたい。ちなみに講習時のライフル射場の距離は50メートル。100メートル以上でゼロインしている方は調整し直すかドロップ計算しておいた方が良い。


さて、ここからは私事ではあるが城南島海浜公園のキャンプ場が7月1日(1日は定休日)から営業が再開する予定になった。それに合わせて私の城南島アウトドアセンターも7月2日から営業を再開する予定だ。以前コロナの方は2波の危険も騒がれてはいるがまずは3月から止まってしまっている時間をまた動かしたいと思っている。皆さんのキャンプ場での笑顔も見たいので安全にオープン出来るよう準備して待ちたいと思う。ではでは!

Workshop Vuovdi / 東京下町の小さな森の工房

プオレペアイッヴィ〜♪【Vuovdi】はラップランド北部サーミ語で『森』 管理人はディアハンターの東京スナフキン。サーミから学んだ生活の知恵を生かし、ブッシュクラフト的ハンティングやフライフィッシング、野営、アウトドアジビエに関する記事を投稿しています。