近年本州でも北海道のエゾジカ猟のような単独忍び猟で鹿を狙うハンターが増えてきたようだ。私もその一人であることは今更隠すつもりはないが、、、そこで通常銃猟で狩猟を始めようと思うとまずは1本目の銃を所持しなくてはならない。これもご存知の通り猟銃にはそれぞれ特性があるので鳥を撃つのか鹿や猪又は熊のような四つ足と呼ばれる大物猟で、巻狩りに使うのか単独猟に使うのかによっても猟銃は使い分けが必要になってくる。
右も左もわからずしかも周りに狩猟経験者がいないような初心者の中にはおそらく銃砲店が最初で一番の相談役になると思う。しかし銃砲店も商売なので弾がたくさん売れる散弾銃を勧めてくる。それに散弾銃は絞りを交換することによって用途の幅も広い。平筒と呼ばれる銃身に交換出来る散弾銃であれば大物猟にも使うことが出来る。だが精度に関してはボルト式ハーフライフルやライフル銃とは比にならないほどだと認識していた方が良い。
まずは自分が何を狙いたいかということを決めることだ。鳥も鹿も猪も撃ちたいということであれば猟銃は複数所持することを覚悟する必要があるが、私のように最初から単独忍び猟で鹿を撃ちたいんだという強い意思があれば1年目からでもハーフライフル1本で狩猟をスタートすることも可能である(猟銃に慣れるということであれば散弾銃がおすすめ)。
1年目からライフル銃は所持できないのか?という質問だが、これは現在の日本の法律ではライフル銃は散弾銃を10年以上所持した者でなくては申請が出来ないようになっている。猟銃の所持というのは使用実績がないと所持許可が取り消されるので車の免許のようにペーパーはありえない。精度(ここでいう精度とは的に当たる精度ということ)が高い銃を最初から持った方が安全なのではと思うが、跳弾や的を外れたライフル銃の弾は殺傷能力を残したまま4キロ以上も空中を飛んでいってしまうため10年間は弾の飛距離の少ない散弾で練習してからにしてくださいよ!という公安のお偉いさんの考えなのであろう。
私はすでに人生の半分以上を渓流釣りに情熱を注ぎ、第一種銃猟狩猟免許を取得したのは40歳を過ぎてからだった。狩猟には漫画を読んで子供の頃から興味があったが銃猟に関しての知識や情報が全くない環境に育ち、若い頃は渓流釣り以外にも趣味を持つ経済力もなかった。しかし狩猟だけはもう少し早く始めていればよかったなと本当に後悔している。なぜかというととにかく狩猟から得ることが多すぎるからである。山には少年期から釣りやキャンプ、山登り、野遊びで慣れ親しんできてはいたが、野生動物だけには真正面から向かい合えてはいなかった。野生動物と向かい合うことから初めて山のこと、自然のこと、地球全体のことが数多く見えて来た。そしてもう少し若ければ猟銃も複数所持して池に鴨をうちに行ったり里でウサギを追い山で鹿を狙い仲間同士で巻き猟をやったりいろいろしていたであろう。
もしかすると私と同じような境遇の方が他にもいるのではないかと思いこの記事を書いてみた。狩猟と一言で言っても幅が広い。広すぎる。まずは自分と向かい合って自分が本当に今何がしたいか?という問いに答えよう。そこにまずは一心で向かっていれば周りの景色も違って見えて来るに違いない。人生やらずに後悔するのではなく行動あるのみだと私は思う。
次回は銃所持許可で3年毎にある更新時に受講しなくてはならない『技能講習』についてです。通常の散弾銃とハーフライフルでは技能講習が異なります。それではまたよろしくお願い致します。ではでは!
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