ビバーク(狩猟者編)

ビバーク(独:biwak、英・仏:bivouac)とは、登山やキャンプなどにおいて、緊急的に野営することを指す用語。不時泊とも言う。(ウィキペディアより)


ビバークは緊急事行うもので出来れば避けたいものでもある。しかし山ではビバーク知識があるかないかだけでも生死を分けるポイントであることはみなさんもご存知であると思う。では狩猟におけるビバークとは実際どんなものなのか?を今回、私もちょこっと狩猟をやるのでご紹介したいw


環境 私の猟場は山梨県で猟期の平均最低気温はマイナス10度。平均最高気温は3〜4度。一日中氷点下の日も少なくはない。積雪は比較的に少ない。標高は900〜1100メートル。野生動物は豊富でニホンジカ以外にも大型ではツキノワグマ、イノシシが共存している区域である。

設営場所 トップの写真は夏に撮影用に設営したものだが実際は雨風の吹き込みが少ない針葉樹林帯を選ぶ(河原や広場はNG)。厳冬期の針葉樹林帯では雨風が弱まるだけではなくヒノキやスギの葉が手に入りやすくそれらは焚き火を熾す際の焚き付けにもなり寝床に敷くことによって地面からの冷気を防ぎクッション性のあるマットレス代りにもなる。山林でのビバークはこの設営場所の選定によってほぼ運命が決まる。

シェルター 軍用ポンチョ。展開すると長方形のタープ形状になる。普段は雨具として使用するので日帰り装備にも必ず含まれている。フード部分は軽く縛って雨が侵入しないようにする。

形状 北欧のサーミ式で半ティピー型のオープンシェルター。シェルター開口部約80センチ付近に直火で焚き火を熾し一晩中暖を取れるようにする(シェルターをクローズドにしないのはこれが一番の理由。冬用のシュラフがあれば別だけどクローズドにすると寒くて死ねるよw)。シェルターの向きは風向きと垂直に交わるように設営する。それによって熱だけをシェルター内部に取り込み煙は開口部を横に流れる(時間があれば焚き火の背面にリフレクターを作ってあげるとより暖かく休める)。

シュラフ なし。狩猟では基本日帰り装備なのでシュラフは持たない。その代わりになるSOLのエスケープヴィヴィを携行している。グランドシートは同じくSOLのエマージェンシーシート(アルミ蒸着してある面を上にする)。マットレスはモンベルのU.L.コンフォートシステムの150センチ。とにかく非常時用なのでコンパクトで軽量なものを選ぶ。ない場合はヒノキやスギの生葉を小枝ごと採集してきて地面が見えなくなるくらい敷いてあげると良い。足先が寒い時はバックパックを空にしてすっぽり足先に被せる。

焚き火 オープンシェルターに欠かせないのは焚き火である。熾火を途切らせることなく一晩中焚き火で暖を取りながら休む。そのために必要な焚き火スキルは普段の遊びの中から学ぶ。厳冬期でのオーバーナイトでは相当量の薪が必要になるが集めた薪で壁を作り焚き火を囲むように保管する。必ずビバーク時は直火で焚き火を行う。直火の際は焚き火の大きさに合わせた深さ10センチ程の穴を掘り底には小石を敷いて火床を作る。石がない場合は太めの薪を並べて火床にする。土には多くの水分が含まれているので火床を作ることによって熱伝導が上がり温かい焚き火になる。こうやって焚き火の高さを下げることによって自分への熱伝導率も上がる。


ざっとここまで私のビバーク方法を書いてきたがどうだろうか?「俺には関係ねえや!」とか「私には出来なーい!!」なんて思ってる人はいないかい?登山では毎年そんなこと言ってる輩が山で遭難して人に迷惑をかけた挙句命を落としているんだよね!

少数派かもしれないけど森のレンジャーたるハンターが狩猟中遭難、低体温症で死亡!なんてニュースはカッコ悪くて見てられないよなww


夏の時期、猟場のパトロールすることも重要だけどアウトドアスキルを上げておくことも私はオススメするよ!!




Workshop Vuovdi / 東京下町の小さな森の工房

プオレペアイッヴィ〜♪【Vuovdi】はラップランド北部サーミ語で『森』 管理人はディアハンター&ヤマメハンターの東京スナフキン。サーミから学んだ生活の知恵を生かし、ブッシュクラフト的ハンティングやフライフィッシング、野営、アウトドアジビエに関する記事を投稿しています。