タープに落ちる雨音を聞きながらゆっくり過ごすキャンプもポイントさえおさえれば他にはない楽しみや発見がある。
アウトドアは天気の良い日に!と言うのはビギナーの方には良い考えだと思うが、自然というものは刻々と状況が変化するのも本来の姿である。この変化も余すところなく楽しめて初めてウィルダネスの住民になれるのではないか。
今回は雨の日のキャンプについてメリット、デメリット、ポイントを私なりの考察を含めて話したいと思う。
子供の頃、雨の日、登校中に靴下が濡れて一日中不快な思いで学校で過ごした事はないだろうか?
しかし子供は雨が好きである。私なんかは学校が終わると倉庫からブルーシートを持ち出し近所に作った秘密基地に仲間と籠りに行った。火を熾し濡れた靴下を乾かしひたすら基地に籠った。晴れの日には出来ない雨の日の遊びがそこにあった。
現在大人になった私のキャンプも楽しみ方は昔と変わらない。だが少しばかりは賢くはなっているはずだw
先ずは当たり前のことだが体が濡れないようにすることだ。登山やウォータースポーツをやる人は基本中の基本なので話すこともないが、たかがゆるキャンでもアウトドアに違いない。
そこで濡れないようにするにはどうするか?先ず思いつくのはテントやタープ。寝室にテント。リビング用にタープというように使い分ける。最近ではテントにリビングを備えているような大型のテントも存在する。
次にレインウェア。雨具である。レインウェアは登山で使うようなブランド物の高価なものは要らない。快適性能は上がるかもしれないが、キャンプ活動には焚き火が欠かせない。火の粉が飛んであっという間に数万円もするウェアは穴だらけになるであろう。靴もゴアテックスのような高価なものは要らない。普通にホームセンターで売られている長靴で十分だし、私自身キャンプには長靴が最強だと思っている。
登山で使うようなレインウェアはジャケットとパンツに分かれているセパレート型が多いが、先ほど話した焚き火をする際、テントやタープの下ではレインウェアは脱いでいた方が良い。トイレに行ったり洗い物に行ったりするたびに着るのは面倒だという人はポンチョなんかでも良いと思う。
ここで一つポイント。テント設営はできるだけトイレや洗い場から近い所に設営することだ。雨の度合いや立地条件によっては足元が悪くなる。レインウェアを着ていたとしても移動距離を短くしてやった方が濡れる度合いは変わってくる。そしてなるべくテントとタープから離れないで過ごせる工夫をする。手元に必要なものは車から下ろし濡れないテント内に移動しておく。例えばウォータージャグなんか持っている人は使うべきだ。サイト内に設置しておけばちょっとした洗い物もサイトから離れずに出来るし、一々水場まで水を汲みに行く必要もなくなる。
晴れていれば釣りをやったりカヤックで川を下ったりアクティブに過ごせる一日も雨キャンではゆっくりテントの下で過ごす一日に変わる。雨の日はキャンプ場も空いている。予約も取るのが困難な人気キャンプ場でも当日行って入れる事だってある。雨音で周りの騒音も消されるので自然に包まれる感覚が五感で感じることができる。あとはテントやタープの下でやりたいことをやればいいだけだ。
ここまで話すと雨キャンも楽しそうじゃん!と思う方も多いかもしれないが、雨の日のキャンプを嫌うキャンパーは少なくはない。そういったキャンパーに行かない理由を聞くと、景色が悪い、濡れる、キャンプ用品が汚れる、寒いといった自己中心的な答えしか返ってこない。
キャンプ用品は使った後メンテナンスをして長く使ってあげることが基本なので、そのまま使いっぱなしという人は少ないと思う。しかし中には住宅事情から濡れたテントを干す場所が無かったりして汚れることを嫌うキャンパーもいるかもしれない。確かに雨の日は地面からの跳ね返りもあり地面から近い物からジャリジャリドロドロに汚れる。テントも畳む時にドロドロに汚れる。だから雨キャンを実行する時はメンテナンスも含めて計画する必要がある。
先ずはキャンプから戻って来た時にテントなどを干したり道具をメンテナンスする場所を確保しておく。次に天気予報をキャンプ地と帰って来てからの自宅の天気を週間予報でチェックしておく。キャンプ日は雨が降る時間、降水量、風の強さをチェックしてそれらが台風手前レベルであったら即刻中止にする。雨、風が台風レベルであったらそれはもはやキャンプではなくビバークになってしまうからだ。あくまでも雨キャンはゆるキャンが安全に実行できる範囲で楽しんで欲しい。
キャンプ日も含めて向こう一週間も雨が続く場合も中止すべきだと思う。雨キャンでは帰って来てからのメンテナンスも含めてキャンプなのだ。最近流行りのポリコットンのテントなんかだと一週間も濡れたままで放置しておけばあっという間にカビだらけになってしまう。
メンテナンスも含めてキャンプだと言ったのはキャンプ道具を大切に所持することもキャンプの楽しみの一つであるからだ。時にはいくら洗っても落ちない汚れやシミ、傷や凹みなんか出来ることがある。しかしそれらは自分だけの思い出として残る飾りのようなものだと思う。そんな道具たちに囲まれて過ごす雨の日のキャンプも良いのではないか?道具たちも多少過酷な環境で使ってみてあげるとそのモノの良さが再発見できるかもよw
こんな感じで雨キャンについて話してきたが、私は全てを語るつもりはない。それはキャンパーそれぞれが感じて経験から積み重ねるべきで、感じ方だって人それぞれだと思うからだ。だからこそもっと多くのキャンパーに今までやってこなかった事に挑戦してみて各々が新しいことを感じて経験してもらいたい。
だけどやっぱり雨の日のキャンプ場は空いてて欲しいけどねw
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